例題:コンクリート側溝(内幅30cm高さ30cm)内に水位10cmの水が流れています。この水は流速1m/sで流れています。この場合の必要な水中ポンプの種類は何インチですか?
この問題では、まず側溝を流れる水の**流量(m³/s)を求め、それに対応する水中ポンプの吐出量(排水能力)**から、**適切な口径(インチ数)**を判断します。
✅ ステップ1:流量を求める
側溝の断面積 × 流速 = 流量(Q)
- 側溝の内幅:30 cm = 0.30 m
- 水位:10 cm = 0.10 m
- 流速:1 m/s
▶️ 流量(Q)
bashコピーする編集する0.30 m × 0.10 m × 1 m/s = 0.03 m³/s
- 1 m³ = 1,000 L
⇒ 0.03 m³/s = 30 L/s
✅ ステップ2:ポンプの能力と口径の関係(目安)
ポンプ口径(インチ) | 毎分吐出量の目安(L/min) | 毎秒換算(L/s) |
---|---|---|
2インチ | 約300〜400 L/min | 約5〜6.7 L/s |
3インチ | 約600〜800 L/min | 約10〜13 L/s |
4インチ | 約1,000〜1,500 L/min | 約16〜25 L/s |
6インチ | 約2,000〜3,000 L/min | 約33〜50 L/s |
8インチ | 約3,500〜5,000 L/min | 約58〜83 L/s |
✅ ステップ3:必要なインチを判断
今回の流量:30 L/s(= 1,800 L/min)
👉この流量に対応できるポンプは…
- 4インチでは少し厳しい(上限ギリギリ)
- 6インチポンプが妥当(余裕をもって処理できる)
✅ 結論
🔽 このケースで使用すべき水中ポンプのサイズは…
6インチの水中ポンプが適切です。
(※ただし、ポンプのメーカーや型式によって能力に幅があるため、実際はポンプのカタログスペックを確認することが重要です)
例題2:川河工事で半川締め切り(鋼矢板自立)掘削、ブロックマットの布設工事で基面より水が湧いており自然水位基面+50cmで安定しています。この場合の水中ポンプは常時排水とした場合、何インチのポンプが必要でしょうか?揚程高は3mとする。
この例題では、**湧水を常時排水するために必要な水中ポンプの口径(インチ)**を決めるために、以下の手順で考えます。
✅ 条件整理
- 工種:川河工事(半川締切・鋼矢板自立・掘削・ブロックマット布設)
- 水位:自然水位が基面+50cmで安定
- 排水:常時排水が必要
- 揚程高:3m
✅ ステップ1:想定排水量の見積り
湧水量は現場によって異なりますが、標準的な河川の地下湧水量の目安として、以下が参考になります:
1〜2 L/分/m²(地盤の透水性・水位差による)
今回は掘削幅 約10m × 長さ 10m(仮定で100㎡)と仮定します。
また、多めに見積もって 2L/分/m²で計算。
▶️ 排水量:
bashコピーする編集する2 L/min × 100 ㎡ = 200 L/min ≒ 3.3 L/s
✅ ステップ2:対応するポンプ口径を確認
ポンプ口径(インチ) | 毎分吐出量の目安(L/min) |
---|---|
1.5インチ | 約150〜200 L/min |
2インチ | 約300〜400 L/min |
3インチ | 約600〜800 L/min |
👉 今回の必要量:200 L/min
✅ ステップ3:揚程3mを考慮
多くの水中ポンプは3〜5mの揚程に対応可能。
ポンプ性能表では「吐出量は揚程が高くなると減少」するため、余裕を見て:
2インチポンプが最適(200〜300 L/min、揚程3m対応)
✅ 結論
🔽 このケースで必要なポンプは…
2インチの水中ポンプ(揚程3m対応型)
※ただし、湧水量が局所的に多い場合や急激な増水時には2台運転や予備機配置を推奨。
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